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いつも真ん中で いよう

wake up call で目覚めたら 開いた目で何を見ようか

私が経験した乳ガン・9 ~エゴの声と魂の声を聴いて~

『私が経験した乳ガン ・8 ~術後の生活が始まりました~』の続きです

 2015年4月。夫と共に先生と今後の治療について話をしました。
 
どの抗がん剤を何度投与するのか、抗がん剤投与箇所に血管外漏出の予防処置を事前に施すこと(書類を破棄したので正式な名前はわかりません)、どんな副作用が現れるのか、そして私の持病への影響。。
などが話されました。
 
私の気持ちはズン・・と重くなりました。
 
 
そんな気持ちとは裏腹に私の頭の中は、 
 
「先生が勧めているんだからやるしかない」
「病気になれば治療を受けるのは患者なら当然の義務でしょ」
「早くやれば早く終る。今すぐにでも始めるべきだ」
 
そんな声で支配されていました。
 
これは今までの私の経験値から導き出した私の顕在意識の声、エゴの声だと思います。
私はその声に従い、迷うことなく今すぐに治療を開始したいと先生に伝えました。
言いながら私は物凄く興奮していました。
それは戦闘体制のスイッチが入ったような感覚でした。
 
 
しかしありがたいことに先生の方から
『急がなくても大丈夫。血管外漏出の処置まであと2週間以上時間があるから、きちんと考えてみてくださいね』と言って頂きました。
 
私の興奮度合いに尋常じゃないものを先生は感じて下さっていたのだとしたら、本当に有り難いことです。
この2週間という時間が、ガンの治療においても、私の目覚めにおいても、とても貴重で重要な時間となりました。
 
 
 ~・~・~・~・~・~・~
 
 
病院を出て仕事に向かった夫と別れ、私は一人自宅へと帰りました。
自宅に着くなり私はどこから溢れ出てくるのかわからないほどの感情で、
ボロボロになるまで泣きました。大号泣でした。
 
「何が私をこんなに泣かせているの?」
「誰がそんなに悲しいの?」
抗がん剤をすることはわかりきったことなのに、何が納得できないの?」
 
私の想定外の号泣に困惑しているのは私の顕在意識でした。
顕在意識の私の思考ではこの号泣の意味が理解できなかったのです。
 
 
そこに夫から電話が入り、私は泣きながら
「私 抗がん剤したくない」と言っていました。
 
数時間前の決定事項を早々に撤回したいという電話の向こうの私の声に、
夫は理解に困りつつもその言葉を受け入れてくれました。
夫は私の泣き声の中に
「頭の中の声ではなく腹の中の声を聴いているようだった」
と後に言っています。
 
夫は一度決めた事は簡単にひるがえさない人で、
そのかわり最初の決心までに沢山の時間をかけて答えを出すタイプです。
そんな夫とはいつも正反対の私。。
 
今回夫としても、支える側として今までの自分の価値観に縛られてはいけない、
柔軟に今 何が大切かをその都度見極めなければいけない、と思ったそうです。
 
夫にとっても妻のガンは、
“自分の価値観”の枠を飛び越える勇気の連続だったのです。
 
 
~・~・~・~・~・~・~
 
 
先生から抗がん剤の治療開始の話を聞き私の心はとっても重くなりました。
実はその重くなった心こそ私の本心であり、
魂の動きだったのだと思います。
 
私の心深くでは、これから始まろうとしている
ガン治療と言う名の体中を傷つける治療に対して、
『また私の声を無視するの?!』とサインを送っていたように思います。
 
私の顕在意識・エゴの声は、魂の声をいつだって押し潰して主張してきました。
エゴの声に人生の主導権を握らせ生きていたのだとつくづく思うのです。
 
 
もちろんそれは悪い事だけではありません。
エゴはこの厳しい世の中を生き抜くためには必要な本能の一部です。
 
利益があるのかないのか、正しいのか間違っているのか、
いつも瞬時に判断することが求められるこの世界で生活することを、私達は修行の場と決めて生まれてきたのですから。でも
 
エゴの声だけで“私”という人間ができているわけではないことに、そろそろ気づくべき時が来たんだと思います。
 
私は魂の声・本心を疎かにしすぎていました。
押し潰された私の魂の声には限界がきていたのだと思います・・
 
 
 
「もう嫌!私の声を聞いて!無視しないで!」
 切羽詰まったこの時だから、やっと声を上げた私の本心。
 意識には二つの顔があることを今回初めてしっかりと認識しました。
 
 夫との電話で私が言った
抗がん剤したくない」という思いは、私の心の声でした。
押しつぶされてきた私の本心・魂の声がやっと立ち上がった瞬間だったと思います
 
 
次回へ続きます